「レシートは?」
と声をかけられたので、
「不要です」
と答え帰ろうとした。するとスタッフはレシートの下部を指さし、
「今日、このレシートを持って来ていただけると、100円でコーヒーが買えますよ。どこのスタバでも利用できます」
と。
“今日、スタバでもう一杯コーヒー?”、それはあり得ないな…と思いながらも、レシートを受け取った。
映画を見終わり、次の移動先に行こうとしたとき、スタバのレシートのことを思い出した。
“移動中、もし自販機で缶コーヒーを買ったら120円、スタバのコーヒーが100円か…”。次の予定まであまり時間もなく、買うためには駐車場と反対の方向へ戻らなければならない。しかし、車に戻ったとき、私の手にはしっかりとスタバ・コーヒーが。
やられた(#^.^#)!
いつからこうしたサービスが始まったのかわからないが、見事な戦略だ。
もう随分前のことだが、スタバが名古屋で展開され始めた頃、以前学童にお子さんを預けられていた印刷会社の社長・Aさん(故人)に、
「スタバって知っていますか?」
と問われたことがある。彼は続けて、
「コーヒー一杯の値段は安いとはいえず、おまけにセルフなのに、なぜ流行っているのかわかりますか?」
と。また、彼は実際に栄にあるスタバで、スタッフとお客さんの動きを見ながらこうしたことを考えたとも。
中小と言えども社長、そんな経営者の視点に驚き、そのとき私は心の中で唸った。そんなAさんとはお子さんが学童を退所してからも、チラシ印刷の依頼を通して年に一度お会いしていた。その度に色んなお話しをされるのだが、本当によく色んなことを考えられていた。例えば、休日はマンガ喫茶に行き、多くの雑誌を手に取ると…。きっと紙面構成など、ご自分の引き出しを増やしていたのだと思う。彼とお話しすると、その度に“日々、目先のことに追われ、なんて自分は問題意識なく生活しているんだろう”と反省させられたが、今も毎日相変わらず(×_×)。
さて、話しをコーヒーに戻して…。
コーヒーを一杯100円で出して利益はあるのだろうか?と考えるが、レシートにそのサービスを謳うことで、本来なら再来店の予定のないお客をリピーターとして呼び戻し100円を落とさせる。コーヒー一杯の原価を考えれば、サービスの付加価値を引いても+数十円の利益は!
こうした発想の転換、私たちにも必要である。
ところで、今回の件で以前読んだ『スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学』を思い出した。スタバのことだけでなく、広く経済の仕組みのことが分かり易く記されていて面白かった。
私たちの学童の仕組み、どうやって変えていけばいいのか?必要とする家庭が安心して預けることができ、指導員も誇りと生き甲斐をもって働き続けることができる学童にするためには?
「シャリバン、ボーッと生きているな!」
天国からAさんにどやされそう(#^.^#)。
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