2010年2月12日

おそざきのレオ

 中川学童では折に触れ、絵本の読み聞かせを行っています。そんな読み聞かせ、新一年生のお友だちが入った時に必ず読む絵本は何冊かありますが、その一冊が『おそざきのレオ』です。
 子どもたち…というより、時にはお父さん・お母さんへ向けて読むことも。そしてこの絵本を読むようになったのは、別に図ったわけではありませんが今から9年前(たまたまこの頃、私がこの絵本に出会いました)、Sくん入所の年度でした。

 Sくんと絵本の主人公レオ、そしてレオとSくん、どこか似ていました。
 そのSくん、先日、一枚の紙を持って学童に寄ってくれました。

Sくんがかざしたのは、それは高校合格通知書。嬉しそうに、そして誇らしげに見せてくれたSくん。本当におめでとう。良かったね(#^.^#)。
 ところで、君の花はもう開いたのだろうか?いやいや、まだまだあわてなくていい。ゆっくり、君のペースで歩いて行こう。君には君のことを見守ってくれている、ステキな父さん・母さん、そして君につながっている人たちがいるから。
 さて、小学生の頃からずっと屈託なく純なS君は、この日も身体をはって全力で学童っ子と遊んでくれました。そんなS君の靴のかかとは昔と変わらず踏まれたまま(#^.^#)。ひとしきり公園で遊んで、
「じゃぁ、シャリバン帰るわ…」
と学童を出たSくん。
「お~い、S、リュックは?」
「アッ…」
「ダメじゃない、大事な高校合格通知書が入っているんだから…」
照れ笑いしながら戻ってきたSくんは、もう一度
「じゃぁ…」
と学童を歩いて後に。しかし、今度は
「アッ!」
と、自分で気づいてまた学童に…。
 そう、この日Sくんは自転車で学童に来ていたのです(#^.^#)。しかもサドルのない自転車で!
学童に来たときには気づかなかったので、
「お、お、おい…、サドルのない自転車、どうやって乗るの?」
「ダイジョウブ、ダイジョウブ…」
 Sくんは屈託のない、出会いの頃と変わらないS君スマイルを残して帰って行きました。

 Sくん、高校合格、本当におめでとう。
どんな時も君らしくね。


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