2009年6月7日

かあちゃん

 何年ぶりだろう、小説を一気に読み切るなんて。ここ数年の読書はというと、実践書などが中心で、しかもそれは本を楽しむというより“読まなければならない”という、ある種の強迫観念から(^^ゞ。だから一冊読み切るには時間もかかるし、どれだけの本が最後までのページをめくられることなく山積みされてきたことか。
 そんな中、朝刊の広告スペースで見つけた『かあちゃん』のタイトルと「生まれてきた瞬間、いちばんそばにいてくれるひと」「重松清が初めて描く母と子の物語」などの書評。思わず速攻でアマゾンから取り寄せると、もう一気に。かあちゃん…私は母のことをずっと「お母さんと」と呼んでいるが、今こうしている間にも確実にその時に向かって年をとっている母。そんな田舎で暮らす両親とこれからどう向き合って行くのか?日一日と老いている両親の生活をどうして行くのか?もしも介護が必要になったら?そう、今の私の名古屋での生活は母の健康の上に成り立っている。そんな母に甘えて、いつもこのことを考えているわけではないが、また前述の自問についての答えについてはずっと先送りしているが、その答えを出さなければならない日がもし突然やってきたら?
 さて、その著者の重松 清さんだが、数年前の全国研(全国学童保育研究集会)・記念講演でお話しを聞いたのだが、私としてはあまり印象深くなかったので、メディアで重松さんの本が紹介されていてもこれまではスルーしてきた。しかし、このタイトルと前述のことから、今回初めて重松作品を手に取った。
 さて、この作品、実はいじめ問題もテーマになっており、「かあちゃん」はもとより登場人物一人一人とどこにでもありそうなその家族が主人公で、そんな家族の生活が折り重なるように、まるで映画みたいに描かれている。そして「かあちゃん」が抱え選んだ人生が、まったく別の場所と時間の中で生活していたいじめた側、いじめられた側の子どもたちの心をつなげて行く…。
 どうやら重松作品にはまりそうである(#^.^#)。 
 次は、父親と息子が描かれているという『とんび』かな。

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